本日、2022年2月28日 18:30。
前回のブログでドネツクとルガンスクについて語りました。
今回は、「ミンスク合意」について話していきたいと思います。

2019年9月5日にウクライナ、ロシア、そしてドンバス地域(ドネツクとルガンスク)における戦闘(ドンバス戦争)の停止について合意した文書です。
このミンスク合意では、ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国が認められています。
前回のブログでもお伝えしたようにドネツクとルガンスクの地域はロシア系が多いのです。
このミンスクで、欧州安全保障協力機構(OSCE)の援助の下、で調印しています。

このミンスク合意(ミンスク議定書)の内容は以下の通りです。
- 双方即時停戦を保証すること。
- OSCEによる停戦の確認と監視を保証すること。
- ウクライナ法「ドネツク州及びルガンスク州の特定地域の自治についての臨時令」の導入に伴う地方分権。
- ウクライナとロシアの国境地帯にセキュリティゾーンを設置し、ロシア・ウクライナ国境の恒久的監視とOSCEによる検証を確実にすること。
- 全ての捕虜及び違法に拘留されている人物の解放。
- ドネツク州及びルガンスク州の一部地域で発生した出来事に関連する人物の刑事訴追と刑罰を妨げる法律。
- 包括的な国内での対話を続けること。
- ドンバスにおける人道状況を改善させる手段を講じること。
- ウクライナ法「ドネツク州及びルガンスク州の特定地域の自治についての臨時令」に従い、早期に選挙を行うこと。
- 違法な武装集団及び軍事装備、並びに兵士及び傭兵をウクライナの領域から撤退させること。
- ドンバス地域に経済回復と復興のプログラムを適用すること。
- 協議への参加者に対して個人の安全を提供すること。
ミンスク議定書の覚書
- 両国の国境線から15kmまで範囲から重火器を撤去し、30kmの緩衝地帯を作ること。
- 攻撃行動の禁止。
- セキュリティゾーン上での軍用機での戦闘の禁止。
- 全ての外国人傭兵を紛争地帯から撤収させること。
- ミンスク議定書の履行を監視するためOSCEの作戦を開始すること。
当時のミンスク議定書に調印した代表
- OSCE代表 ハイジ・タリアヴィーニ(スイス外交官)
- ウクライナ代表 レオニード・クチマ(元ウクライナ大統領)
- ロシア代表 ミハイル・ズラボフ(在ウクライナ・ロシア大使)
- ドネツク代表 アレクサンドル・ザハルチェンコ
- ルガンスク代表 イーゴリ・プロトニーツキー
西側の情報では、一方的にロシア側がこの「ミンスク合意」を破棄したと言われています。これは、本当なのでしょうか? 2022年2月23日にテレ東が駐日ロシア大使にインタビュー動画がありましたので、共有しておきます。 この動画では、駐日ロシア大使が「ミンスク合意」について非常に重要な話をされています。
